マットレスの種類は細かく分類していくと10種類以上のタイプが存在します。
このページでは、そのうち12タイプのマットレスの特徴と違いを比較していきますので、あなたのマットレス選びの参考にしていただければと思います。
マットレスの種類一覧
マットレスの種類は大きく分けると、コイルが入っているコイルスプリングマットレス、コイルが入っていないノンコイルマットレスの2種類に分けることができます。
《ノンコイルマットレス》
低反発 | 低反発ウレタン |
---|---|
中反発 | 中反発ウレタン |
高反発 | 高反発ウレタン |
高反発ファイバー | |
高弾性 | 高弾性ウレタン |
ラテックス | |
その他 | チップウレタン |
プロファイルウレタン |
《コイルマットレス》
ボンネルコイル | ー |
---|---|
ポケットコイル | 並行配列 |
交互配列 | |
トルネードポケット | |
アワーグラスポケット | |
高密度連続スプリング | ー |
ポスチャーテック | ー |
上記表の右側に記している通り、コイルマットレスの中でもポケットコイルマットレスはさらに細かく分類することができます。
マットレスの種類にはどんなものがあるのかというのはイメージできたと思いますので、ここから先はそれぞれの特徴をメリット・デメリットを交えながら解説していきましょう。
マットレスの選び方と見るべきポイント
ここでは要点のみをできるだけ短く解説していきますので、さらに詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください。
密度・復元率
ウレタンの密度は”30D”や”30kg/m3”というように表記され、この数値が高ければ高いほど耐久性が高くなります。
復元率は”90%”や”95%”というように表記され、100%に近いほど耐久性が高くなります。
高級なマットレスでは耐久性が高いのが当たり前なためか表記されていない製品も多いですが、安いマットレスの場合は表記されている製品も多い印象です。
3年以上の使用を考えているなら、密度の場合は高反発マットレスなら25D(kg/m3)以上、低反発マットレスなら35D(kg/m3)以上、復元率の場合は95%以上のものを選ぶのがおすすめです。
ニュートン値
メーカーや測定方法によって多少の違いはありますが、ニュートン値の数値によって下記表のようにウレタンマットレスの種類が分かれています。
種類 | ニュートン値(N) |
---|---|
低反発マットレス | 75N以下 |
中反発マットレス | 75N~110N |
高反発マットレス | 110N以上 |
高反発マットレスの場合、300Nといったようなかなり硬質なマットレスもありますが、ニュートン値は高いほど良いというわけではありません。
体重 | ニュートン値(N) |
---|---|
50kg以下 | 100N以下 |
50~80kg | 100~150N |
80~100kg | 160~190N |
100kg以上 | 200N以上 |
人間の体格は千差万別なので、全ての人がこの表に当てはまるわけではありませんが、目安として覚えておくと良いでしょう。
使われている素材の種類と厚さ
どのタイプのマットレスでも、内部に使用されているウレタンなどの素材の種類や厚さはとても重要です。
例を挙げると、低反発ウレタンフォームと高反発ウレタンフォームを組み合わせたものなど、製品によって組み合わせは多種多様です。
高級なマットレスなどでは、独自の素材を組み合わせたりして寝心地が良くなるように考えて作られています。
ウレタンマットレスのみを使用する場合、厚さ以外に硬さや反発力も関係ありますが、あまりに薄いものだと底付き感を感じてしまうこともあります。
コイルマットレスの場合は、ウレタンフォームの厚みが薄いと背中でコイルの感触を感じてしまうといったことも起こりえます。
通気性対策はされているか
マットレスは設置したままずっと使用していると、寝汗などが原因で内部に湿気がたまっていきます。
内部に湿気がたまるとカビ・ダニ・雑菌が繁殖しやすくなり、アレルギーなどの体の病気だけでなく、マットレスの劣化にもつながります。
ウレタンマットレスなどの場合はコイルマットレスと比べて特に通気性が低いため、通気性に対して何かしらの対策がされている製品の方がおすすめです。
ご自身でできる湿気対策としては、ベッドパッドを敷いたりローテーションをするという方法もありますが、これについては長くなるため下記記事を参考にしてください。
ノンコイルマットレスの種類・特徴・選び方
ノンコイルマットレスは大きく分けると、ウレタンマットレス、ラテックスマットレス、ファイバーマットレス、それぞれの素材を組み合わせたマットレスの4種類に分けることができます。
低反発 | 低反発ウレタン |
---|---|
中反発 | 中反発ウレタン |
高反発 | 高反発ウレタン |
高反発ファイバー | |
高弾性 | 高弾性ウレタン |
ラテックス | |
その他 | チップウレタン |
プロファイルウレタン |
販売されている製品を全体的に考えると、ノンコイルマットレスはコイルマットレスと比べて、下記のようなメリット・デメリットがあります。
- メリット
・総重量が軽い。
・購入価格が安い。
・処分費用が安い。 - デメリット
・寝心地が劣る。
・寿命が短い。
マットレスに使用されている素材によっては、コイルマットレスよりもノンコイルマットレスの方が寝心地が良い場合や、寿命が長いことももちろんあります。
また、コイルが入っていないため同じ厚みの製品であれば、ノンコイルマットレスの方が総重量が軽くなるのも必然といえます。
処分費用については、自治体によっては同料金の場所もあるかもしれませんが、多くの自治体ではノンコイルマットレスの方が安いです。
処分費用をどうしても抑えたい場合、マットレスを分解して家庭ごみとして出すという方法がありますが、分解する場合は圧倒的にノンコイルマットレスの方が簡単でしょう。
低反発マットレス
低反発マットレスは、低反発ウレタンフォームを素材として作られるマットレスのことで、柔らかく体が沈み込むため、フィット感が高く包み込まれるような寝心地が特徴です。
- メリット
・横向きで寝やすい。
・体圧分散性が高い。
・体にフィットし、沈み込む寝心地が気持ち良い。
・冬は暖かく感じる。 - デメリット
・通気性が悪い。
・耐久性が低い製品が多い。
・夏は暑く感じる。
(8時間の睡眠での寝返りの回数は20回程度が理想的)
低反発マットレスの選び方
- 厚さ
- 耐久性
- 通気性
《使用用途によって適切な厚さを選ぶ》
低反発マットレスは柔らかく反発力が低いため、薄型のものだと床に体がついているような”底付き感”を感じてしまう可能性があります。
薄型の低反発マットレスはそれ単体として使用するのではなく、現在使用しているマットレスの上に敷いて寝心地をアップさせる目的で使用するべきです。
単体として使用したい場合は、「低反発 + 高反発」のように素材を組み合わせた製品を選ぶようにましょう。
《耐久性=密度・復元率》
低反発ウレタンフォームは柔らかいという性質上、他のマットレスよりもへたりやすいため、長く使用したければ他のマットレスよりも高めの密度のものを選ぶ必要があります。
3年以上の使用を考えているなら最低でも、密度の場合は35D(kg/m3)以上、復元率の場合は95%以上のものを選ぶのがおすすめです。
《衛生対策をしている製品が◎》
低反発に限らずウレタン素材は基本的に、コイルマットレスなどと比べると通気性が悪いという弱点があります。
通気性が悪いと湿気がたまりやすくなり、カビ・ダニ・雑菌の増殖につながります。
ウレタンマットレスは洗うこともできないため、衛生面に関して何かしら対策をしている製品を選ぶか、ご自身で衛生対策をするようにしましょう。
高反発マットレス
高反発マットレスは、高反発ウレタンフォームを素材として作られるマットレスのことで、低反発と比べて反発力が高いため体が沈み込みすぎないのが特徴です。
- メリット
・寝返りがしやすい。
・沈み込みすぎない。
・硬さの種類が豊富。
・低反発マットレスよりは通気性が良い。 - デメリット
・通気性が悪い。
・硬すぎるものを選ぶと寝心地が悪くなる。
・低反発マットレスよりも体圧分散性が劣る。
高反発マットレスの選び方
- 硬さ
- 耐久性
- 通気性
《硬さはニュートン値を目安にする》
高反発マットレスは、ニュートン値が高ければ高いほど良いというわけではありません。
硬すぎるマットレスは、体の出っ張っている部分が沈み込みにくくなり腰痛などの原因となるため、適度な硬さのマットレスを選ぶ必要があります。
あなたが購入を考えている製品の販売ページなどに、体重別にニュートン値の目安表のようなものがあればそちらを参考にした方が良いですが、ない場合は下記表を目安にしてください。
体重 | ニュートン値(N) |
---|---|
50kg以下 | 100N以下 |
50~80kg | 100~150N |
80~100kg | 160~190N |
100kg以上 | 200N以上 |
《耐久性・通気性》
これらに関しては、上記で説明した低反発マットレスの選び方とほぼ同じです。
高反発マットレスの場合は最低でも、密度の場合は25D(kg/m3)以上、復元率の場合は95%以上のものを選ぶのがおすすめです。
中反発マットレス
中反発マットレスは、低反発ウレタンフォームと高反発ウレタンフォームの中間くらいの硬さ(75N~110N)のウレタンフォームを使用して作られるマットレスのことです。
低反発マットレスと高反発マットレスの中間くらいの寝心地になるため、低反発マットレスでは柔らかすぎるけど、高反発マットレスほどの硬さはいらないという人に向いています。
- メリット
・低反発マットレスと高反発マットレスの良いとこどりができる。 - デメリット
・低反発マットレスと高反発マットレスの悪いとこどりをしているともいえる。
・製品数が少ないため選択肢が少ない
中反発マットレスの選び方
- 厚さ
- 耐久性
- 通気性
《使用用途によって適切な厚さを選ぶ》
中反発マットレスは、低反発マットレスのようにオーバーレイマットレスとしての使用にも向いています。
単体で使用したい場合でも、あなたの体格と製品によっては中反発マットレスのみで使用することは可能でしょう。
しかし、高反発マットレスほどの硬さはないため「中反発 + 高反発」のように素材を組み合わせた製品を選ぶのが無難です。
《耐久性・通気性》
これらに関しては、上記で説明した低反発マットレスの選び方とほぼ同じです。
高弾性マットレス
高弾性マットレスは、高弾性ウレタンフォームを素材として作られるマットレスのことで、柔軟性と弾力性が高いのが特徴です。
高反発マットレスと同じような反発力がありながら柔軟性も高くなっているため、高反発マットレスよりもフィット感と体圧分散性が高くなっています。
- メリット
・体圧分散性が高い。
・基本的に耐久性は高め。
・寝返りがしやすい。
・フィット感が高いが沈み込みすぎない。 - デメリット
・他のウレタンと比べると値段が高くなる。
・通気性が悪い。
高弾性マットレスの選び方
- 硬さ
- 通気性
高弾性ウレタンフォームは弾力性と柔軟性を高くするという性質上、密度を高くする必要があるため、基本的には耐久性が高くなる傾向にあります。
そのため、耐久性に関しては見るべきポイントに入れていませんが、密度や復元率はもちろん確認しておいた方が良いです。
《硬さ》
硬さは高反発マットレスの選び方と同じで、適度な硬さのマットレスを選ぶようにしましょう。
《衛生対策をしている製品が◎》
通気性に関しては、他のウレタンマットレスとあまり変わりはないため、衛生面に対して何かしら対策をしている製品を選ぶか、ご自身で衛生対策をするようにしましょう。
プロファイルウレタン
プロファイルウレタンとは、ウレタンマットレスなどを波型に加工することで、通気性と体圧分散性を高くしたマットレス素材のことです。
- メリット
・通気性が高くなる。
・体圧分散性が高くなる。 - デメリット
・耐久性が低くなる。
・価格が高くなる。
プロファイル加工されていない素材と比べて、波型にすることで通気性や体圧分散性はよくなりますが、加工していない素材と比べると同じ密度でも耐久性は少し低くなります。
価格に関しては、加工費の分だけ少し高くなる程度ですので、安いマットレスでなるべく寝心地が良いものを探している人は候補に入れてもいいでしょう。
チップウレタン
チップウレタンは、色々な製品を加工するときに余ったウレタンの端材を粉々にし、圧縮加工することで再生されたウレタン素材のことです。
- メリット
・密度=耐久性がかなり高い。 - デメリット
・かなり硬い。
マットレスの寝心地や耐久性を上げるために、他のウレタン素材などの下に組み合わせて使われることがほとんどです。
普通のウレタン素材と比べると密度がかなり高いため、チップウレタンを使用しているマットレスは、耐久性について考えられているという見方もできるでしょう。
チップウレタンのみを使用したマットレスもあるにはありますが、硬すぎるため寝具用としてはおすすめしません。
高反発ファイバーマットレス
高反発ファイバーマットレスは、ポリエチレン繊維を編むようにして組み合わせて作られたマットレスです。
繊維と繊維の間に隙間があるため通気性が高く、水で洗うこともできるのが特徴です。
- メリット
・通気性が高い。
・水洗いできる。
・軽い。 - デメリット
・体圧分散性が低い。
・基本的に硬めの寝心地。
・選択肢が少ない。
・熱に弱い。
・床に直置きはおすすめしない。
基本的に硬めの寝心地なため、体重の軽い人は硬すぎると感じてしまうかもしれません。
また通気性が非常に高いので、冬場は床に直置きして使用すると底冷え感を感じてしまう可能性もあるため、ベッドの上で使用するのがおすすめです。
さらに熱にも弱いので、寒いからといって電気毛布などを使用すると熱でマットレスが劣化してしまう可能性もあります。
高反発ファイバーマットレスの選び方
- 繊維が空洞になっていないタイプを選ぶ。
- 三つ折りタイプ(特に分離できるもの)がおすすめ。
- 側生地は通気性が良いものがおすすめ。
《空洞になっていると水が入る》
ファイバー素材には、繊維の中が空洞になっているタイプと空洞になっていないタイプがあり、空洞になっているタイプの場合、洗っているときに水が入り込んでしまう可能性があります。
繊維の中に水が入ってしまうと乾かすのも大変ですし、臭いやカビなどの原因になってしまう可能性があるので、繊維が空洞になっていないタイプを選ぶようにしましょう。
《三つ折りタイプは洗いやすい》
いくら洗えるといっても、マットレスのような大きなものを狭い浴室などで洗うのは大変です。
その点、三つ折りタイプなどで分離できるものなら洗うのも比較的楽になります。
《側生地も通気性が良いものが◎》
せっかく内部素材が通気性が良くても、側生地の通気性が悪ければファイバー素材の効果を最大限に引き出すことができません。
側生地は3Dメッシュ素材など、通気性が考えられているものを選ぶのがおすすめです。
ラテックスマットレス
ラテックスマットレスは、ゴムの木の樹液を素材として作られるマットレスのことで、柔らかく弾力性があり、耐久性が高く、抗菌作用があるのが特徴です。
- メリット
・体圧分散性が高い。
・寝返りがしやすい。
・耐久性が高い。
・カビ・ダニ・雑菌などが増殖しにくい。 - デメリット
・ウレタンの2倍以上重い。
・価格が高い。
・熱がこもりやすいので夏は暑い。
・製品によってはゴム臭が気になる。
・ゴムアレルギーの人はNG。
優れている点も多いラテックスマットレスですが、ウレタンマットレスと比べると価格は高く、重量は倍以上重くなるので、ローテーションを行うのも大変になります。
ラテックスマットレスの選び方
- 天然ゴムの含有率
- 通気性
《天然ゴムの含有率》
ラテックスマットレスは下記表の3種類に大別することができ、種類によって性能が違います。
種類 | 含有率 | 耐久性 | 体圧分散性 | 通気性 | 抗菌作用 | ゴム臭 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
天然ラテックス 100% | 100% | ◎ | ◎ | △ | ◎ | 気にならない程度 | 高い |
天然ラテックス | 80%以上 | ○ | ○ | △ | ○ | 弱い | 普通 |
合成ラテックス | 80%未満 | △ | △ | △ | × | 強い | 安い |
表を見ていただければ分かるように、通気性以外の面では全て天然ラテックス100%のものが優れています。
合成ラテックスは価格は安くなりますが性能が良くないため、最低でも天然ラテックス、できれば天然ラテックス100%のものを選ぶのがおすすめです。
《通気性対策をしている製品が◎》
ラテックスマットレスは、ピンホールとよばれるの穴を開けて通気性を改善している製品がほとんどですが、それでも通気性は良くないため湿気はたまりやすいです。
湿気がたまることによるカビ・ダニ・雑菌の増殖は天然ゴムの持つ抗菌作用で抑えることはできますが、湿気はマットレスの劣化にも関係があります。
そのため、通気性に対して何か対策が考えられている製品を選ぶか、ご自身でローテーションなどの湿気対策を行うようにしましょう。
コイルマットレスの種類・特徴・選び方
コイルマットレスでよく聞くのはポケットコイルとボンネルコイルですが、有名どころでは他にも高密度連続スプリングやポスチャーテックコイルなどがあります。
その中でもポケットコイルに関しては、配列やコイル自体の特徴の違いなどがあります。
ボンネルコイル | ー |
---|---|
ポケットコイル | 並行配列 |
交互配列 | |
トルネードポケット | |
アワーグラスポケット | |
高密度連続スプリング | ー |
ポスチャーテック | ー |
販売されている製品を全体的に考えると、コイルマットレスはノンコイルマットレスと比べて、下記のようなメリット・デメリットがあります。
- メリット
・寝心地が良い。
・寿命が長い。 - デメリット
・価格が高い。
・総重量が思い。
・処分費用が高い。
コイルマットレスを単純に考えると、ウレタンマットレスなどにコイルをプラスしたような製品のため、寝心地が良くなるのは当然ともいえます。
ここからは各コイルの特徴を解説していきますが、
”コイルだけでなくウレタンなどのクッション素材の質も寝心地に大きく影響する”
ということは必ず覚えておいてください。
ポケットコイルマットレス
ポケットコイルマットレスは数百個以上のコイルがひとつひとつ独立しており、点で体を支えることができるため、フィット感や体圧分散性が高く、柔らかい寝心地が特徴です。
- メリット
・フィット感が高い。
・体圧分散性が高い。
・振動が伝わりにくい。 - デメリット
・コイルマットレスの中では通気性が低い。
あえてデメリットを挙げるなら、コイルマットレスの中では通気性が低いということですが、ウレタンマットレスなどと比べると通気性は高いため、実際に使用する上では大きなデメリットとはいえません。
ポケットコイルマットレスの選び方
- 内部素材を第一に考える。
- 線材規格は耐久性と寝心地に影響する。
- コイル線径の太さで寝心地は変わる。
- コイル数が多い方がフィット感・体圧分散性が高い。
《内部素材》
ポケットコイルだけでなく、全てのコイルマットレスを選ぶ際に1番重要なのは、ウレタンなどのクッション素材の厚さや性能です。
コイルの性能がいくら高くてもクッション素材が薄い場合は、別でオーバーレイマットレス(今使っているマットレスの上に敷くもの)を用意する必要が出てきます。
コイルマットレスの内部に使われているクッション素材はノンコイルマットレスなので、内部素材の選び方はページ前半で解説したノンコイルマットレスの種類と特徴を参考にしてください。
《線材規格》
線材規格とは、使用されているコイルの品質を表記したもので、【SWRH82B C種】というように表記されます。
線材規格を見ることでコイルの反発力・耐久性・強度が分かるのですが、見方は下記のようになります。
- SWRH = 材料の種類。
・SWRH(硬鋼線)とSWRS(ピアノ線)の2種類がよく使われる。 - 82 = 炭素含有量。
・数値が大きいほど、反発力が高く硬い寝心地になる。 - B = マンガンの含有量。
・AとBの2種類があり、AよりもBの方が耐久性が高い。 - C種 = スプリングの引張強度。
・硬鋼線の場合はA<B<Cの3種類あり、C種が最も破損しづらい。
・ピアノ線の場合はV<A<Bの3種類あり、B種が最も破損しづらい。
・硬鋼線のC種よりもピアノ線のA種のほうが引張強度が高い。
SWRH(硬鋼線)とSWRS(ピアノ線)のどちらを選ぶかですが、
- ピアノ線のコイルは製造コストが高い。
- コイルよりもクッション素材の方が先に寿命がくる。
という理由から、硬鋼線で十分だといえます。
《コイル線径》
コイル線径は、マットレスの硬さに関係します。
2.0mm前後のものが一般的ですが、数値が大きい(太い)ほど硬くなり、数値が小さい(細い)ほど柔らかくなります。
硬めの寝心地を探している場合はコイル線径の太いもの、柔らかめの寝心地を探している場合はコイル線径の細いものを選ぶようにしましょう。
《コイル数》
コイル数が多いほどフィット感や体圧分散性が高くなるため寝心地が良くなりますが、その分価格は高くなります。
しかし、クッション素材の方が寝心地に影響するため、コイル数よりもクッション素材にコストをかけている製品の方がおすすめです。
《コイル配列》
ポケットコイルマットレスの配列は、並行配列と交互配列の2種類があります。
同じ品質のコイルを使用する場合、交互配列の方が基本的に硬めの寝心地になり、並行配列の方が柔らかめの寝心地になります。
コイル配列だけで決まるわけではありませんが、どちらを選ぶかは硬めの寝心地を求めるか、柔らかめの寝心地を求めるかを基準にして考えるとよいでしょう。
《特殊コイル》
一般的に使用されるポケットコイルに加えて、アワーグラスポケットやトルネードポケットなど、メーカーが独自に開発したようなポケットコイルもあります。
後者の方がもちろん性能は高いですが、その分価格も高くなってしまうというのがデメリットです。
ポケットコイルマットレスの徹底比較記事一覧はこちらになります。
ボンネルコイルマットレス
ボンネルコイルマットレスは、渦巻き状になったコイルを全てつながるように鉄線で連結させたもので、通気性が高く硬めの寝心地が特徴です。
- メリット
・価格が安い。
・通気性が良い。 - デメリット
・体圧分散性が低い。
・振動が伝わりやすい。
しかし、大きく価格が違うというわけではないので、寝心地も考えるとポケットコイルマットレスの方がおすすめです。
ボンネルコイルマットレスの選び方
- 内部素材を第一に考える。
ボンネルコイルマットレスもポケットコイルマットレスと同様に、内部に使用されているウレタンなどの素材の質を第一に考えるべきです。
コイル品質の見方についても、コイルの形状や配列は違いますが大体ポケットコイルマットレスと同じです。
高密度連続スプリングマットレス
高密度連続スプリングはフランスベッドが独自開発した製品で、フランスベッド以外のメーカーでは製造することができません。
見た目はボンネルコイルと似ていますがスプリングの構造が全く違い、耐久性は全てのコイルマットレスの中で1番高く、体圧分散性もボンネルコイルより高くなっているのが特徴です。
- メリット
・耐久性が高い。
・通気性が高い。 - デメリット
・価格が高い。
高密度連続スプリングマットレスの選び方
- 内部素材を第一に考える。
- 製品全体の特徴を比較して考える。
高密度連続スプリングを選ぶ場合でも、内部に使われているウレタンなどの素材を第一に考えるということは変わりません。
スプリングの種類もいくつかありますが、他のメーカーでは高密度連続スプリングは製造していないため、スプリングの特徴よりも製品全体の特徴を比較して選ぶべきでしょう。
ポスチャーテックコイルマットレス
ポスチャーテックコイルはSealy(シーリー)が独自開発した製品で、身体の加重や凸凹に合わせてコイルの反発力が変化するのが特徴です。
見た目はボンネルコイルと似ていますが、負荷のかかる部分は沈み込みやすく、低い部分は沈み込みが少ないという、ポケットコイルと似たような特性をもっています。
- メリット
・体圧分散性が高い。 - デメリット
・価格が高い。
・選択肢が狭い。
ポスチャーテックコイルマットレスの選び方
- 内部素材を第一に考える。
ポスチャーテックコイルを選ぶ場合も、内部に使われているウレタンなどの素材の質を第一に考えるということは変わりません。
しかし、他のコイルマットレスと比べて製品数が少ないため、選択肢はかなり狭くなります。
まとめ
一概にマットレスといってもこれほど多くの種類があります。
予算が無限にあるならば、何十万円もするような最高クラスのマットレスが1番ですが、限られた予算の中でより良いものを選ぶためには知識と比較が必要です。
ポケットコイルマットレスに関しては、当サイトでは徹底的に比較できるような記事を作成していますので、そちらの方も有効活用してください。